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2024 12/6

優待利回りとは?計算方法からお得な銘柄の見つけ方まで徹底解説

株主優待のある銘柄に投資する際、株主優待がどの程度お得かを判断するのに役立つのが「優待利回り」です。

優待品が魅力的で優待利回りが高い優待銘柄は、優待目的で取得・保有する投資家が一定数いるため、株価が安定しやすいという特徴があります。

今回は、優待利回りの計算方法や平均的な水準、優待利回りの高い銘柄の探し方を紹介します。

優待利回りの高い銘柄への投資メリットや注意点も解説しているので、優待狙いの投資を成功させるために、ぜひお役立てください。

優待利回りとは?

株主優待でもらえるものは、企業によって金額や内容は異なります。どの優待がお得なのかを判断するために参考になるのが、優待利回りです。

まず、優待利回りとは何か、計算方法とあわせて解説します。

優待利回りとは投資額に対する優待価値の割合

優待利回りとは、株主優待の価値が投資金額に対してどの程度の割合であるかを示す数値です。

一般的には、優待利回りが高いほど、お得であると考えられます。

優待利回りの計算方法

優待利回りは、以下の式で計算できます。

優待利回り(%)=優待品の換算金額(年間合計)÷優待に必要な投資金額×100

例えば、コロワイド(7616)は、500株の保有でグループ店舗で利用できる食事券が基準日につき1万円を2回、年間4万円分もらえることで人気がある銘柄です。

コロワイドの2024年11月19日時点の終値は、1718.5円でした。

優待利回りを計算してみると、40,000÷(1718.5×500)×100で、4.65%となります。

優待利回りの水準の目安

株主優待の利回りは、銘柄によって大きく差があります。

優待内容の利便性や内容も異なりますが、一般的には3%を超える優待利回りがあると、優待利回りが高いとされます。

なお、優待品として高額なサービスの割引券を進呈する銘柄では、100%以上の優待利回りとなるケースもあります。

例えば、婚活やウェディング事業を手がけるタメニー(6181)は、100株以上の株主に、結婚相談所の入会時登録料無料優待券をはじめ、合計30万円以上の割引券を進呈しています。

2024年11月19日時点の終値は108円のため、3,000%を超える優待利回りです。

結婚相談所の入会時登録料無料優待券のみを使用したとしても、優待利回りは約278%に達します。

サービスの利用予定がある方にとっては、魅力的な優待といえるでしょう。

優待利回りと配当利回り・総合利回り(実質利回り)の違い

投資先を検討する際、利回りは重要な判断基準になります。

株式投資では、収益性の比較に優待利回りのほか、配当利回り、総合利回り(実質利回り)の3種類の利回りが用いられます。

優待利回りとの違いを理解しておきましょう。

配当利回りは年間配当金の割合

配当利回りとは、投資金額に対する年間配当金の割合を表す数値で、以下の式で計算します。

配当利回り(%)=1株あたりの年間配当÷株価×100

先のコロワイドでは、2024年3月期の配当実績は1株あたり5円でした。

2024年11月19日時点の株価をもとに配当利回りを計算すると、5÷1718.5×100で、0.29%となります。

総合利回り(実質利回り)は優待利回りと配当利回りを合わせた割合

株式投資の利回りを比較する際には、優待利回りと配当利回りを合算した数値を総合利回り(実質利回り)とすることもあります。

株主優待の経済的メリットも含めて、投資価値を判断したい場合の目安になります。

総合利回り(実質利回り)(%)=優待利回り+配当利回り

株主還元の手段には配当金と株主優待がありますが、配当を重視する企業もあれば、優待を手厚くする企業もあります。

総合利回りを見ることで、より合理的な投資判断が行えるでしょう。

なお、総合利回りは、本来投資額に対する年間収益の割合を示すものです。

譲渡損益や配当金、優待相当額など、株式投資で得られるすべての収益を計算の対象とし、個々の投資結果の振り返りに活用されます。

優待利回りが高い銘柄を見つける方法

株主優待を実施している企業は1,500社近くあるため、銘柄一つひとつの優待内容や利回りを確認してお得な銘柄を探すのは現実的ではありません。

優待利回りが高い銘柄を見つけるには、次の3つの方法が有効です。

証券会社や情報サイトで調べる

多くの証券会社では、株主優待の検索が可能です。優待利回りの記載はありませんが、優待がもらえる条件や優待内容、株価、配当利回りの情報などを比較できます。

優待品と同時に銘柄情報を確認でき、投資先の候補を選定するのに役立ちます。

金融情報サービス会社のQUICKが運営する「QUICK Money World」では、個別株式情報の株主優待画面に、必要株数や優待内容に加えて優待利回りや配当利回り、総合利回りなどの情報が掲載されています。

また、株主優待メニューには優待利回りなど3種類の利回りランキングがあり、優待品のカテゴリ別や権利月別の絞り込みが可能です。

そのほかにも、株式投資や優待情報を扱うメディアの中には、優待利回りを含めた情報を確認できるものが多くあります。

四季報を参考にする

東洋経済新聞社が発行する「会社四季報」は、すべての上場会社の情報が掲載されている、株式投資に欠かせない一冊です。

巻末には、株主優待の詳細な情報がまとめられているので、お得な優待を探しやすいでしょう。

Web版の「会社四季報ONLINE」の個別株主情報では、優待内容とともに優待利回りが掲載されています。

また、株主優待一覧メニューでは、総合利回り(実質利回り)上位50件の優待利回り、配当利回り、最低投資金額などを一覧できます。

有料プランでは、全件の優待利回りでの並び替えや投資金額・権利月・優待品カテゴリでの絞り込み検索に対応しています。

優待利回りランキングを参考にする

投資情報サイトなどが独自に作成する、優待利回りのランキングを参考にする方法もあります。

ランキングによってはおすすめ度が併記されていたり、特定の優待品に限定して作成されていたりするので、優待利回りからの銘柄の絞り込みがしやすいでしょう。

会社四季報オンラインでも、「本日のランキング」というカテゴリで、権利確定月別など、さまざまな切り口での優待利回りランキングを扱った記事が掲載されています。こちらは無料で閲覧可能です。

優待利回りが高い銘柄を選ぶメリット

株主優待は、配当金と異なり実体のある物品でもらえる楽しみがありますが、投資戦略上でも次のようなメリットがあります。

投資資金を回収しやすい

配当利回りは、高水準でも5~6%前後であり、10%を超える銘柄はごくわずかです。

しかし、優待利回りの高い銘柄では、10%を超えるものも多くあります。

優待品が自分が普段利用している店舗の割引券など、価値相当額をフルに利用できる優待であれば、実質的に収益が得られているのと変わりません。

結果として、投資資金の回収を早められる可能性があります。

下値が堅く株価が安定している

優待利回りが高い銘柄は、優待取得目的の需要が期待できるため、株価の下落局面でも影響を受けにくい性質があります。

また、権利付最終日が近づくにつれ株価が上がる傾向も見られます。

優待取得に限らず、含み益が大きくなった時点で売却して利益を確定する手法も取りやすいでしょう。

優待利回りが高すぎる銘柄のリスク

優待利回りが高い銘柄は、実質的に得られる収益が大きくなるのがメリットですが、注意しなければならないリスクもあります。

株価の下落により優待利回りが高い可能性がある

優待利回りの高い銘柄には、優待品が自社製品やサービスで、有効な集客手段として活用されているケースも多くあります。

しかし、中には株主還元に力を入れているのではなく、業績の悪化により株価が低迷したために優待利回りが高くなっているケースも少なくありません。

優待利回りは、優待を得るために要した額に対する優待価値で計算されるため、株価が低い銘柄は優待利回りが高くなるからです。

株価の下落により優待利回りが高い銘柄は、さらに業績の悪化が続いた場合、コスト削減のために優待の改悪や廃止となるおそれがあるため、注意が必要です。

優待廃止で株価が大きく下落する

優待利回りの高い銘柄は、優待取得目的で保有する投資家が一定数いるため、株価の下支えになっています。

一方で、優待が廃止された場合には、保有する目的がなくなってしまった投資家から即売られることになり、株価が大きく下落するリスクがあります。

特に、権利日直前の優待廃止は、下落幅が大きくなるでしょう。

優待廃止に伴い配当を増額するようなケースでは、株価への影響は一時的なものに留まることもあります。

しかし、業績悪化による優待廃止の場合には失望売りとなり、株価の戻りを期待するのは難しくなるでしょう。

株主優待のお得さを理由に購入される銘柄の業績悪化には、注意が必要です。

権利日前後の株価変動が大きくなる

株式は、権利落ち後、配当や優待に相当する額の値下がりは避けられません。

しかし、優待利回りが高く人気の銘柄は取引が過熱しやすく、権利付確定日に向かって株価が大きく上昇する傾向があります。

その一方、権利落ち日に優待の価値以上に大きく値下がりするリスクが高くなります。

優待取得後は値下がりに耐えながら、次の権利取得を待たざるを得なくなるでしょう。

配当も良く長期投資に向く銘柄であれば保有し続けるのも手ですが、株価の変動が気になる方には、メンタル面の負担が大きいかもしれません。

優待利回りで銘柄を選ぶ際の注意点

優待利回りが高い銘柄の投資リスクを防ぐために、注意したいポイントを紹介します。

自分にとって価値がある優待かという視点を持つ

優待利回りが極端に高い銘柄の優待は、高額なサービスの割引で、利用対象者や利用条件が限られるものが多く見られます。

いくら金額換算が高い優待でも、自分が使える優待であれば、経済的価値はありません。無理に利用するのも本末転倒です。

優待利回りで投資銘柄を選ぶ際は、自分にとって価値がある優待であるか確認しましょう。

普段から利用している店舗の割引や金券類なら、優待をもらったのに使い切れず、無駄になる事態を避けられます。

業績が安定し配当を出す企業を選ぶ

近年、個人投資家の確保を目的に、高額な金券といった魅力的な株主優待を新設する企業も増えています。

しかし、優待は永遠に継続されるわけではありません。

業績悪化や経費削減を理由に改悪・廃止されることがあるため、優待だけではなく、業績の安定性にも目を向けることが大切す。

また、優待の改悪・廃止を行った企業は、その前に無配や減配の履歴があることも少なくありません。

安定した配当を出しているかも、併せて確認しましょう。

過去に優待廃止がなかったか確認する

優待改悪や廃止リスクを避けるためには、過去の優待実施状況も参考になります。

過去に業績悪化により優待を廃止したことのある企業は、優待が復活しても再度業績が悪化すれば、廃止のリスクが高いでしょう。

もちろん、業績が回復すれば再度復活する可能性もありますが、安定して保有し続けるには不安が残ります。

多少優待利回りが低くても、安定して優待を実施し続けている企業のほうが、中長期の投資に向いているといえます。

優待利回りを参考にお宝銘柄を見つけよう

株主優待は株式投資の魅力の一つであり、大きな経済的メリットが得られる銘柄もあります。

お得な優待銘柄を探すには、優待利回りが参考になります。

優待利回りは、株価と優待価値から計算できるほか、株式投資関連の情報サイトにも掲載されているので、ぜひ活用しましょう。

ただし、優待利回りは株価の低迷が要因で上がってしまうケースもあります。

また、業績悪化や会社の方針転換により改悪・廃止されるリスクもある点には注意が必要です。

優待利回りと併せて配当利回りや総合利回り(実質利回り)、業績推移などを確認し、自分にメリットの大きな優待がある、お宝銘柄を探しましょう。

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